2017年04月11日

『おとぎの森の幼女姫』――キャラメる語り 第一回 ララ・リリア姫――

『キャラメる語り 第一回 ララ・リリア姫』



 キャラメルじゃなくてキャラメる。「キャラメする」を縮めてキャラメる。

 キャラメ、とはキャラクターメイキングの略、TRPG等で自分の分身であるキャラクターを作ること。転じて「おとぎの森の幼女姫」に登場するキャラクター達がどうやって生まれたか、どんな経過で今の形になったかなど、つれづれとお話ししてゆこうと思います。しばしおつきあいください。


 第一回めは本作のヒロイン、幼女姫ララ・リリア。読者さんからは「たくましい!」「かわいい」とご好評いただいております。

 ストーリーを引っ張る原動力、騎士とドラゴンが行動する『動機』、そして最初の語り手でもあります。
ララ姫1.jpg


 アイディア帳を紐解いてみると年齢設定は最初は八歳でした。しかも『おでこの広い黒髪おさげの滅多に笑わない女の子』。

 だれだこれ?
 話を練ってゆく過程で七歳に、さらに六歳にと幼くなって、姿と性格もだいぶ変わりました。それでも意志の強さは一貫して変わらない。


 名前はとにかく言いやすいように。ラ行の音を並べて実際に舌の上で転がして、一番しっくりきたのを選びました。音の最後がア行の音で終わって『開く』感じにしたかった。


 いきなり最初の一行で国が滅びて雨の中を逃亡、さらにドラゴンとおっさん騎士と森で暮らす。ハードな運命が待ち受けています。だから、たくましく生きのびてほしい。飛んで、走って、足を踏ん張って駆け抜けてほしい。だからひたすら元気で前向きな性格に。やんちゃなくらいでちょうどいい。喜怒哀楽もはっきりと、表情豊かに。ここはもう一人のお姫様、ミーガン公女との差別化をはかるためでもありました。


 次に弱点を考えます。

 まず、体が小さい。力が弱い。両親が恋しい。失われた『日常』が恋しい。知識も限られている。最初はお城育ちだからなおさらに、屋外で暮らした経験が無い。

 そして子供です。幼女です。周りが大人ばかりの環境で育って、王女としての教育を受けた。だから姫君として振る舞うことはできる。

 でも幼女。


 だから一人で考えるときは、子供として考える。そこで姫視点のパートでは漢字と難しい言葉をざっくり減らしました。ここはもう、校正の手間がかかるのを承知でこだわった。気づいていただけた時はとてもうれしかった。


 幼いと言うことは弱点でもあり、同時に利点でもあります。

 幼い子供は成長する。作中、時間の経過とともに姫は変わります。冒頭ではできなかったことが、物語の後半ではできるようになる。それは、おじさん騎士とドラゴンから学んだ結果なのです。



 中味と名前が決まったら、今度は容姿。

 おとぎ話の世界、架空の国ではありますが、ヨーロッパのどの辺の地域をモデルにするかは決めておこうと思いました。

 なじみがあって、土地勘のある所にしよう。そんなわけで、リヴァーフィートのモデルは北欧、それも主にデンマークに決定。かの国には八ヶ月ばかり住んでいたことがありまして、気候や地形、木の大きさや土のにおい、風の肌触りを知っていたのです。元になる経験があるから、描写もしやすい。


 地域が決まればそこに住む人種も見えてくる。「ゆるく波打つ赤い髪、陽に透ける若葉の瞳」はそこから決まりました。あと、そばかす。これはもう、完全に、趣味! 好きなんです、そばかす。


 今野先生のイラストにはきっちりそばかすが描きこまれていて、しかも八重歯まできらっと光っていてよろこびのあまりもだえました。

 もう、この一言につきます。

 姫可愛いよ姫。



 余談。

 縦横無尽に走り回り、飛びつき、好奇心に目を輝かせる姫。あれだけ飛んだり走ったりしておいて、スカートの裾はどうなんだろう……自分でもちょっと気になっていたのですが、そこもイラストできれいに解決されていました。これならおじ様ドラゴンも安心。



(第一回/了)


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posted by 白好出版 at 18:00| おとぎの森の幼女姫